デザイン思考 「やってみなはれ!」
2020年3月21日
昨日、経営戦略全史(著:三谷宏治)を読んでいると、最近の経営戦略は、「よい解決策はユーザーを中心とした試行錯誤からしか生まれない」という割り切りをもとに進める傾向にあるみたいで、これをどうやらデザイン思考と呼ぶみたいです。
同書籍の中からデザイン思考を採用した問題の解決例をちょっと拝借しますと・・・・
1990年代にケニヤで三つの「初等教育支援」の社会実験が行われました。
最初は学校に、教科書を配りました。英語で書かれていたせいか、配らなかった学校との間に、教育効果は現れませんでした。失敗です。
次は、授業用にフィリップチャートを配りました。教員からの要望でもあり、生徒の学習効率が上がはずでしたが、これも失敗。
最後にやったのは、虫下し薬を配ることでした。これは大成功。健康になって欠席率が減って、学力が上がりました。
これを読んだとき、経営戦略の策定に時間をかけるより、『問題を定義し、アイデアを出し、試作をつくり、テストを重ねること』が、いかに大切であるか気づかされます。
ちょっと我が事務所の話になりますが、企業支援の一つとして、経営計画や人事諸制度の支援を行いますが、立派すぎる経営計画や立派すぎる人事評価制度を時間をかけて作らないことに決めています。
それよりも、「社長・社員が一緒に考え、やってみて振り返る。そしてまたみんなで考える。」これを、私たちも社長や社員さんと一緒になって繰り返すことを大切にしています。
私は、作家の開口健が大好きですが、一貧乏大学生の開口健に「洋酒天国」のような一見カネにもならない雑誌作りを任せたサントリーの佐治恵三を経営者として敬愛しています。
佐治恵三の口癖、「やってみなはれ」 これは経営を進める上で、まさに最高の言葉だと思いませんか?
(絵は、洋酒天国の不思議なおじさん「アンクルトリス」です。)