中途入社した社員が国民年金と厚生年金の保険料を重複して支払ってしまいました。 還付を受けるための手続きの方法を教えてください。

2020年8月16日

20歳から60歳の全ての日本国民は、保険料を納めて公的年金に加入する義務があります。

尚、公的年金には国民年金と厚生年金と共済年金があります。

そこで中途入社した社員が国民年金に加入していた場合、厚生年金への切り替え手続きが必要になりますが、どのような手続きを行うのでしょうか。

また、国民年金と厚生年金の保険料を重複して支払ってしまった場合、還付を受けるには、どのような手続きを行うのでしょうか。

 

これらの質問に答える前に、会社の厚生年金保険料の納付義務を整理しますと、会社は、月末在籍社員の当月分の保険料を納付しなければなりません。

従って、4月に中途入社した社員は、入社日が4月1日であろうと4月30日であろうと、会社は4月分の厚生年金保険料を払わなければなりません。

 

そこで冒頭の質問に戻りますと・・

Q1 国民年金から厚生年金の切り替え手続きはどのように行うのでしょうか?

A1 国民年金から厚生年金の切り替えは、勤務先の会社が年金事務所へ届け出ること

により、自動的に行われます。

従って、中途入社した社員が役所に行って、国民年金の脱退の届け出をする必要

はありません。

 

Q2 国民年金と厚生年金の重複期間の保険料について還付を受けるには、どのような

手続きが必要でしょうか。

A2 中途入社した社員が、国民年金の保険料を既に1年分まとめて支払っているケー

スや入社した当月分の保険料を納付しているケースが考えられます。

上述のとおり会社は、入社月からの厚生年金保険料を納付する必要がある為、国民

年金と厚生年金の保険料が重複してしまいます。

そこで重複期間の保険料の還付手続きをどうするかですが、特段何もしなくても重

複納付があった場合、年金事務所から国民年金保険料還付の案内と一緒に「国民年

金還付保険料請求書」が送られてきます。

この書類が届きましたら、案内に従い、還付金の払込口座などを記入して返送して

ください。

返送後問題がなければ、1か月から数か月程度で指定口座に振り込まれます。

尚、重複納付に気づいたときは、管轄の年金事務所に連絡して、重複状況と還付手

続きの流れを確認することをお薦めします。

 

尚、公的医療保険(国民健康保険)については少々気をつける必要があります。

中途入社した社員は、入社日から会社が定めた健康保険(中小企業の場合、一般

的に協会けん保)に加入されますが、それまで国民健康保険に加入していた場合の

脱退手続きは、自分で健康保険証を添えて国民健康保険資格喪失届を役所に提出す

る必要があります。

そして重複して国民健康保険料を納付してしまった場合は、自分で役所に申し出て

還付請求を行わなければなりません。

 

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