今さらですが・・・社労士と税理士の違いを教えてください。 新型コロナ禍の中、わたしたち経営者は、どちらにどんなお仕事を頼んだらよいのでしょうか?そして仕事を依頼するメリットは何でしょうか?

2020年8月16日

社労士も税理士も、どちらも末尾に「士」がついており、一般的に士業(しぎょう)と呼ばれる専門資格職業です。

以前より経営者の方から「税理士」「社労士」「司法書士」「行政書士」の違いは何ですかという質問を受けていました。

特に最近は、新型コロナウイルスに絡んで様々な補助金がでていることもあり、「これは税理士と社労士のどちらに頼めば良いのか?」という問合せを受けます。

そこで、今回は「(1)社労士と税理士の違い」「(2)どちらにどんな仕事を頼んだらよいか」「(3)専門家に仕事を依頼するメリット」について、ご説明させていただきます。

 

(1)社労士と税理士の違い

先ず押えておかなければならないのが、“独占業務”という言葉です。

“独占業務”は、資格者がないとできない業務です。

(逆に言いうと、“独占業務”以外の業務は、だれがやっても法律上問題がありません。)

尚、「税理士」「社労士」それぞれの“独占業務”は以下のとおりです。

●税理士の独占業務・・・税務の代理、税務書類の作成、税務相談

●社労士の独占業務・・・労働社会保険関連法に基づく申請書の作成と手続き代行

 

上記業務を別の角度で説明しますと

税務署に提出する書類の作成と提出とそれに絡む相談業務は、税理士しかできません。

労働局・監督署・ハローワークに提出する書類の作成提出は、社労士しかできません。

 

(2)どちらにどんな仕事を頼んだらよいか

新型コロナウイルスに絡んで様々な補助金・助成金・融資の特例措置が出ていますが、これらは誰に頼めばよいかといいますと・・

①雇用調整助成金・・雇用保険に関する助成金の作成提出は、労働社会保険関連法に基づく

申請書の作成と手続き代行に該当します。よって申請書類の作成・提出

は、社労士の独占業務ですので、社労士に依頼するのが適当かと思いま

す。

 

②無利子無担保融資・・金融機関に書類を提出しますが、これは“独占業務”ではないので、

法律上だれに頼んでも問題はありません。

しかしながら、決算書・試算表が会計基準に基づき処理されていること、今後

の事業計画が上記決算書・試算表に基づいて、きちんと作成されていることが

大切です。

税理士は、それらの業務の経験と実績が豊富ですので、税理士に相談するケー

スが多いようです。

特に、顧問税理士がおられる経営者は、顧問税理士に相談するのが、メリットが大きいように思います。。

 

②持続化給付金・家賃支給給付金・その他の補助金・・経済産業省や兵庫県の補助金がメインになります。これらは基本、本人申請ですが、申請書類の作成支援については法律上の制約がありません。中小企業診断士や行政書士、民間のコンサル会社が、これらの業務に力を入れているようです。

 

(3)専門家に仕事を依頼するメリット

新型コロナ禍の中において、経営者が士業に仕事を依頼するメリットですが・・・

① 書類作成は専門知識が必要

補助金・助成金・融資の申請書類の作成は、専門知識がないとなかなか作成できないと

ころがあります。難しくて、ついつい後回しにして、期限が過ぎることが往々にありま

す。また、なんといっても専門家に依頼することで、経営者は本業に専念することがで

きます。

 

② 様々な支援策を上手く活用

新型コロナウイルスに絡んで様々な支援策が出されていますが、それらを経営者が押

えていくことは難しいです。

専門家から情報提供を受けることで、様々な支援策を上手く活用することができます。

 

さて、最後に、補助金・助成金等に関して、「そういったものに頼るのはどうか?」

という声がたまに聞かれますが、私が印象的だったのは、踊るタコ焼き機の開発で有名な社長が次のように語っていました。

「中小零細企業においては、補助金を上手く活用するのも経営者の知恵の勝負だ!」

 

こういった時こそ「上手く補助金」を、そして「上手く専門家」を、活用していただければと思います。

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