一行動が一目的のみを持たねば戦いには勝てない!

2020年3月4日

このところ、予定していたミーティングの中止等で、思ったように仕事がはかどらず、少々ストレスが溜まり気味ですが、このような時に私が読む本といえば、司馬遼太郎の「坂の上の雲」です。

維新を経て新国家に生まれ変わった日本が、欧米に学びながら近代国家としての体制を整え、ついに日露戦争においてロシア帝国を破るまでを書いた大作で、秋山好古、その実弟秋山真之等を中心に物語が進行します。

この本が面白いのは、旅順要塞の二〇三高地攻略や奉天海戦、日本海海戦等について、戦略解説を交えながら書かれている点にあり、経営戦略を考えるうえでも示唆に富んだ内容と思います。

有名な日本海海戦ですが、ロシアはバルチック艦隊を、世界一周してまでウラジオストック港を目指したのは、同港を起点に、日本からロシアへの輸送を妨害する為であり、日本海を縦断してラジオストックに逃げ込めば、目的を達することができたそうです。

しかし、バルチック艦隊は、ウラジオストックに逃げ込むだけでなく、日本海海戦で勝利することも目的にした為、余分の石炭を積込むこととなり、船の速度が遅れたのが、全艦全滅という結果に終わったとの分析です。

本書では、軍事戦略家のマハンが、「一行動が一目的のみを持たねば戦いには勝てない」との理論をもって、バルチック艦隊の行動もそれに当たると書いています。

中小企業においても限られた資源しかない中で経営戦略を考える必要があります。

「一行動が一目的のみを持たねば戦いには勝てない」という理論は、多くの経営の場にも当てはまるのではないでしょうか。

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