知的資産と事業承継

2020年1月25日

私ごとですが、本年度、兵庫県行政書士会の知的資産経営専門部会の副委員長になり、今週は、月曜日から金曜日まで重い腰をあげて活動、テーマは、「事業承継支援」。

知的資産は、知的財産(例えば、特許権)とよく間違えられますが、知的財産よりもっと広い範囲を指します。

例えば、今日私がものづくり補助金の相談を受けて訪問した神戸市西区の金属加工会社を例にとれば、

私:「社長、会社の自慢はなんですか?」

社長:「大型測量機械部品加工、なんといっても、うちは歪のない部品を作る技術がある!」

私:「なぜ、そんな凄いことができるのですか?」

社長:「うちには長年働いてくれた熟練技術者がいる!」「何がすごいかというと、彼らは溶接時のステンレスの伸縮が読めるのだ!」

これらは、特許でもなく、また設備や器具のように貸借対照表に現れていませんが、その会社がお客様に選ばれる最も大切な資産です。

これが「知的資産」です。

 

では、わが知的資産経営専門部会が、なぜ「事業承継」に取り組むかといいますと、事業承継で何よりも大切なことのは、「知的資産」の引き継ぎにあるからです。

金属加工会社においても、事業承継後も熟練加工者さんが力を発揮し、またその技術を伝承していくには、経営者や社員はもちろんのこと、会社を支えている金融機関や協力会社に見える化して、みんなでどうつないでいくか考えていくことが大切だからです。

【知的資産】

「知的資産」とは、人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の目に見えない資産のことで、企業の競争力の源泉となるものです。

これは、特許やノウハウなどの「知的財産」だけではなく、組織や人材、ネットワークなどの企業の強みとなる資産を総称する幅広い考え方であることに注意が必要です。

さらに、このような企業に固有の知的資産を認識し、有効に組み合わせて活用していくことを通じて収益につなげる経営を「知的資産経営」と呼びます。

 

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